ダイヤモンドハンズの隠れコスト――「売るつもり」でふるさと納税したら、BTCを握って1.8万円損した話

節約・家計

去年の暮れ、ふるさと納税で北海道白糠町のいくらを53,000円分、ポチッと頼みました。我が家の毎年の定番です。

このとき、頭の中ではこう計算していました。

「2025年はビットコインが最高値を更新してる。どこかで利益を確定させて、年収は1,000万円くらい、所得で750万円くらいになるはず。それだけ稼げば、ふるさと納税の上限は20万円近い。53,000円なんて誤差。実質負担は2,000円で、いくらが食べ放題だ」

完璧な皮算用でした。問題は、その前提がまるごと崩れたことです。

結局、1サトシも売れなかった

理由はシンプルで、売れなかったんです。

最高値を更新するたびに「いや、これはまだ上がる」。少し下がってくると「ここで売るのは悔しい、もう一回上がってから」。そうこうしているうちに相場は反落し、「この値段で売るくらいなら握っておく」。

……気づいたら、1サトシも売らずに年を越していました。

このメンタル、以前BTCが暴落しても売らなかったT君の話(ダイヤモンドハンズ)で書いた通りです。僕自身もまったく同じで、含み益は「いつか確定するつもりの幻」のまま年をまたいでしまいました。

半年後、住民税の通知書で答え合わせ

そして先日、勤務先から住民税の通知書が届きました。恐る恐る見てみると――

その他の所得:272円。

BTCの売却益、ゼロ。つまり2025年は、ただの給与所得だけの年だったわけです。売る売る詐欺を自分にしていただけでした。

しかも2025年は、3ヶ月ほど育休を取っていた年でもありました。BTCの利益はゼロ、給料も普段よりだいぶ少ない。所得を高く見積もって寄付したのに、フタを開けたら逆方向に振れていたわけです。これぞ完璧な勘違いでした。

上限3.4万円に、53,000円を突っ込んでいた

ここで効いてくるのが、ふるさと納税の仕組みです。通知書の控除欄にはこう書いてありました。

寄附金控除額 市民税 19,596円 県民税 13,064円(合計 32,660円

53,000円寄付して、税金から戻ってきたのは32,660円。残りは自腹です。

住民税の通知書。ふるさと納税が寄附金控除32,660円として反映されている
住民税の通知書。ふるさと納税は「寄附金控除額 市民税19,596円+県民税13,064円=32,660円」として、ちゃんと反映されている(氏名・通知書番号等はマスク)。
内訳 計算 金額
基本分 (53,000−2,000)×10% 5,100円
特例分 所得割137,800円 × 20%(上限) 27,560円←頭打ち
合計 32,660円

ふるさと納税の「特例分」には、住民税の所得割の20%までという上限があります。給与だけの年だと所得割が小さいので、僕の上限はざっくり3万4千円ほど。そこに53,000円を突っ込んだので、はみ出した分はただの寄付になりました。

住民税通知書の税額欄。所得割額と特別徴収税額が並ぶ
同じ通知書の税額欄。所得割額(市民63,000円+県民42,000円)や、年間の特別徴収税額110,500円が並ぶ。この所得割の20%が特例分の上限になる。

計算するとこうです。

寄付額       53,000円
税金が安くなった分 −32,660円
─────────────────
実質負担     20,340円  ← 本来は2,000円のはず

もし予定通りBTCを600万円分売って所得750万円になっていれば、上限は20万円近くまで跳ね上がり、53,000円は余裕で実質負担2,000円で済んでいました。その差が、約1.8万円。最高値で売れなかった代償です。

なぜ「売る前」に寄付してはいけないのか

暗号資産の利益は、株とちがって雑所得・総合課税です。給与と合算され、稼ぐほど税率が上がります(最大で55%)。裏を返すと、売れば所得がドカッと増えて、ふるさと納税の枠も一気に広がる。でも、売らなければ枠は給与ベースのまま動きません。

僕の失敗は一点。「売るつもり」という不確実な未来を当てにして、確実な制度(ふるさと納税)を先に動かしてしまったことです。

学んだルール:ふるさと納税は12月に、利益を確定させてから

ふるさと納税の申込期限は12月31日。1年中いつでもできる、ということは、一番最後にやればいいということです。

来年からの僕のルールはこうしました。

  1. BTCを売るなら、まず売って利益を確定させる
  2. 確定した所得で、12月に上限を計算し直す
  3. その上限の範囲で寄付する

順番を逆にしただけで、今回の1.8万円は防げました。皮算用で枠を先に使わない。これだけです。

じゃあ「握ったこと」は失敗だったのか

ここは正直に書いておきます。BTCを握り続けたこと自体は、まだ失敗とは限りません。これから相場が戻れば、あのとき売らなかったのは正解になる。今回の1.8万円は、いわば「握りを通すために払った保険料」みたいなものです。

ただ一つだけ言えるのは、「不確実な利益(BTC)を当てにして、確実な制度(ふるさと納税)を先に動かすな」。確実に取れるものは確実に取る。それが今年の授業料1.8万円から得た教訓です。

いくらは、美味しかったです。


⚠️ 暗号資産について
ビットコインは値動きが非常に大きい資産です。子育て世代や、価格変動に耐えにくい方には基本的におすすめしません。持つとしても投資額の10%以内に抑え、初心者の方はまずインデックス投資から始めてください。本記事は特定の暗号資産の売買を勧めるものではありません。

⚠️ 税金について
本記事は筆者個人の体験談であり、税務上の助言ではありません。ふるさと納税の限度額や暗号資産の課税は、所得・控除・各種特例によって一人ひとり異なります。筆者は税の専門家ではありません。正確な判断は、お住まいの自治体や税理士・税務署にご確認ください。

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